服薬介助を行う上での3つの注意点

服薬介助では、介護施設等の利用者が薬を服用するときにサポートを行います。利用者は持病や高齢のため、複数の薬を常用することが多くなります。それらの飲み合わせを間違えると深刻な副作用が生じる恐れがあるため、服用のサポートが必要なのです。また、利用者は水や食べ物などを飲み込む力も低下しています。そのため、薬が喉に詰まったり気管に入ったりするトラブルを防ぐ必要があります。服薬介助を行う上での注意点は、大きく3つ挙げられます。

まず1つ目は「体を起こした状態での服用を基本とする」ことです。高齢者の状況によっては別の体勢を選ぶこともありますが、基本的には体を起こします。これは、誤嚥やむせを防ぐためです。体を起こせないときは、横向きや頭を持ち上げて服薬介助を行います。2つ目は、利用者が服薬したあとに副作用が出現していないかをしっかり確認する必要があります。明確な症状でなくてもいつもと違う様子が見られれば、それは副作用の恐れも考えられます。そのためにも、利用者の様子を日頃からよく観察することが求められます。日頃の観察が徹底できていなければ、いつもと違う様子が見られてもそれに気づきにくくなるのです。3つ目の注意点は、薬を水やぬるま湯で飲んでもらうことです。ジュースやお茶は、飲料に含まれる成分が薬の効果を打ち消してしまうことがあるため避けるようにします。冬場など利用者の体温が低下してしまいがちなときには、ぬるま湯で服薬してもらうとよいでしょう。温度の高いお湯はやけどや誤嚥のリスクがあるため、避ける方が無難と言えます。